第33回研究大会
テーマ:「平成の30年を振り返る」
1. 大会趣旨
平成の時代が終わる。平成元年に戦後、日本経済の頂点を極めた後の衰退の30年間であり、さらにベルリンの壁崩壊から朝鮮半島分断の終わりを迎える今日まで、戦後秩序の要たる冷戦の終結に至る移行期間であった。平成はその意味と異なり、戦後に慣れ親しんだ秩序の変化と秩序に寄り添った繁栄が終わる時代であった。
さて、国際公共経済との立場で、日本の平成を振り返るならば、公共の役割の変化の時代であった。グローバル化への動きと知識基盤社会の到来について対応の遅れた財政は、平成になり悪化の一途を辿る。その間、1980年からの新自由主義思想に基づき、公共サービスの提供を市場に委ねる民営化、政策決定に競争を重視した公共経営論などが広がり、施行された一方で、平成7年に発生した阪神・淡路大震災を契機として重要視された社会的経済分野が存在感を増し、公共の果たすべき役割の一部を成し、これは平成12年の「21世紀日本の構想」懇談会がまとめた21世紀における公のイメージともなるとともに、現在では寄附や税制を通し市場と政府との新たな協働を有するに至る。
世界に目を転じる。平成の初期、1990年代はグローバル化の加速する時代であり、ひと、もの、かねの自由な動きを背景とするNAFTA(北米自由貿易圏)やEU(欧州連合)の成立、天安門事件後の中国の改革開放があり、インターネットの公開によって大規模な情報が瞬時に世界を駆け巡るようになった。伴うビジネスチャンスは日本を除く先進国の成長とともに、新興国の勃興をもたらしたのであるが、同時に貧富の格差の拡大と移民と不寛容の問題をも引き起こしている。解決にあたって、一国の、あるいは多国間の連携の下での公的部門の役割の再認識、グローバル化における社会的経済の存在の重要性が知られるようになっている。
内外を問わず平成の30年を振り返り、新しい時代の公共のあり方を考える機会としたい。
第33回研究大会実行委員長 田端 和彦(兵庫大学)
2. 開催要項
日 程:2018年 12月8日(土)・9日(日)
会 場:兵庫大学(兵庫県加古川市平岡町新在家2301)
実行委員長:田端 和彦(兵庫大学)
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3. 大会プログラム
1日目 12月 8日 (土) |
9:30~ | 受付 〈5号館3階〉 | ||
10:00~ | 奨励賞報告①(5号館 301教室)
審査委員 報告者:高松宏弥(京工業大学環境・社会理工学院博士後期課程) 報告者:劉 源(中央大学大学院総合政策研究科総合政策専攻博士後期課程3年) |
奨励賞報告②(5号館) 302教室)
審査委員 報告者:青山 光彦(京都大学大学院地球環境学舎 博士後期課程2年 ) 報告者:任 立新(大東文化大学大学院アジア地域研究科博士課程) |
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12:15~ | 昼食 〈食堂、他〉 |
理事会 〈2号館204教室〉 |
奨励賞審査委員会 〈2号館206教室〉 |
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13:30~ | パネルディスカッション①(5号館301教室)
テーマ:社会的弱者を支える新たなモビリティ モデレーター:野村 宗訓(関西学院大学経済学部 教授) |
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15:45~ | パネルディスカッション②〈次世代研究委員会〉(5号館301教室)
テーマ:イノベーションと新たなプラットフォーム モデレーター:西田 亮介(東京工業大学リベラルアーツ研究教育院 准教授) |
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18:00~ | 懇親会〈5号館2階〉 |
2日目
12月 9日 (日) |
9:30~ | 受付 〈5号館3階〉 | ||
10:00~ | 一般報告①〈5号館301教室〉
座長 加藤 恵正(兵庫県立大学) 大島 哲也(東洋大学 PPP研究センター) 「新しい豊かさの指標「生涯自由時間」とWorld Happiness Reportと1人当たりGDPの比較」 討論者 柏木 恵(キヤノングローバル研究所) 大久保 和宣(神戸大学大学院学術研究員) 「生命の価値と統計的生命価値の本質的な相違について」 討論者 村上 亨(追手門学院大学) 岩満 賢次(岡山県立大学) 「生活困窮者自立支援制度の就労訓練事業者のコミッショニング体制に関する研究:自治体へのアンケート調査より」 討論者 植野 一芳(大東文化大学) |
一般報告②〈5号館302教室〉
座長 井手 秀樹(慶應義塾大学) 青木 勝一(文教大学) 「ジオ・ツーリズムによる地域振興方策に関する研究」 討論者 石田 哲也(木挽町パートナーズ) 衣笠 達夫(Fellow of University of Illinois at Urbana-Champaign) 「空間的依存性を考慮した兵庫県内市町村の生産性分析」 討論者 西村 陽(関西電力㈱) 大藤 建太(会津大学) 「業務用60分単位電気使用データから知見を引き出すための準備的な統計処理の一考察」 討論者 花田 真一(弘前大学) |
一般報告③〈5号館403教室〉
座長 北島 健一(立教大学) 栗本 裕見(大阪市立大学都市研究プラザ特別研究員) 「協議会型住民組織における 住民参加」 討論者 津田 直則(桃山学院大学) 畑 正夫(兵庫県立大学) 「多自然地域における遊休資源の活用方法の検討- エシカルプロパティ・ファンデーション/カンパニーの可能性-」 討論者 久末 弥生(大阪市立大学) 金子 勝規(大阪市立大学) 「ASEAN諸国の社会的企業の現状と制度的枠組みに関する国際比較」 討論者 宮木 いっぺい(京都産業大学) |
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11:45~ | 昼食 | |||
12:45~ | パネルディスカッション③〈5号館302教室〉
テーマ:CIRIEC International企画 モデレーター:今村 肇(東洋大学国際学部グローバル・イノベーション学科 教授) |
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13:30~ | パネルディスカッション④(5号館301教室)
テーマ:社会的経済における新たな資金の動き モデレーター:金子 勝規(大阪市立大学大学院経済学研究科 准教授) |
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15:15~ | 総会・表彰式〈5号館301教室〉 |